債券のETFと投資信託について、ETFの動きを見ながら書いてみたいと思います。
ETFも投資信託ですが、ここでの投資信託はETF以外の上場していないものとして記載します。
さて、販売会社で働いていた時は、債券の話をすることがとても多かったです。
顧客が富裕層だったためかドルを長期継続保有しているケースがあり、そのドルの中での安定運用として債券の個別銘柄の話をよくしていました。
債券のETFと投資信託の話もしていましたが、満期時に100%で戻ってくることがはっきりする個別銘柄の方がわかりやすいようで、そちらの選択になることが多く、私としては説明の仕方が悪いのかなと残念に思うこともありました。
昔も今も考えていることは同じなので、私は自分の資金規模から、ETFと投資信託の方が分散できるし、リスクの高いハイイールド債なども対象にできると考え、個別銘柄は投資せずにETFと投資信託で運用しています。
分配金を速やかに再投資するなどの目的があるのであれば投資信託の方がよいと思いますが、個別銘柄との差がわかりやすいように今回はETFで、そして長めのデータが取れることから米国総合債券のETF(AGG)で考えてみようと思います。
まずは、AGGと金利のグラフです。
※グラフはYahoo Financeのサイトより2003年10月末から2024年4月末の月次データを取得し独自に作成。AGGは分配金を含むデータとしてHistorical DataのAdj Closeを取得。
債券の個別銘柄投資は、発行体が倒産などをしなければ、満期まで保有することで当初の利回りを享受することができます。
この場合の債券は、主として国債や普通社債で仕組債は除きます。
ETFと投資信託も、当然ながら同様の投資効果を得ることができるのですが、わかりにくいです。
上記のグラフを見ると2020年以降は金利が上昇、AGGは分配金を入れても下落か横ばい、私もAGGは保有していますから、相場を眺める時は楽しくないのですが、長期で利回りを享受するのだからそれは気にせず気持ちをコントロールしなくてはと思っています。
AGGの内容が説明されているページを見ると、ポートフォリオの特性として平均利回り5.12%、加重平均残存期間8.39年、そして経費率は0.03%との記載があります。
※ブラックロックのiシェアーズ・コア米国総合債券市場ETFのページより、2024年5月24日現在。
債券のETFと投資信託を買う時はこのようなポートフォリオの数値を見て、このAGGであれば期間が約8年半で経費を引いて利回り5%くらいの債券と考えます。
アクティブ運用の商品であれば、中で急激に売買をされたりすると、現在のポートフォリオの状況は意味がないかもしれませんが、インデックス運用であればこのポートフォリオを継続保有すると考えて問題ないと思います。
さて、このETFを保有してマイナスになる場合はどのような時でしょうか。
※グラフと表はYahoo Financeのサイトより2003年10月末から2024年4月末の月次データを取得し独自に作成。AGGはHistorical DataのCloseとDividendsを取得。
今度は、実際に保有している場合に近づけるように、価格と分配金は別々にデータを取りました。
最初のグラフは、その月末まで1年間保有した場合、水色がETFの価格の変化率で、ピンクが分配金の1年間分です。
水色が大きくマイナスの時は、ピンクでも相殺できないです。
次のグラフでは保有期間を延ばして5年間に、分配金の積み上げが大きいので価格のマイナスも相殺できる場合が増えますが、まだ埋めきれない時もあります。
最後の表は、その他の期間も同様に計算しました。
2003年からのAGGのデータでは7年を超えて継続保有していればマイナスにはならないです。
保有期間が長ければ、相場が悪くても債券としての穏やかなパフォーマンスを享受できると感じて頂けますように。
私は自分の投資判断のためには、過去の市場を見ながら最悪の時を考えて気持ちをコントロールすることが必要なので、今日の話は参考にもならない方もいるかもしれないのですが。
ここから手数料や税金が引かれますし、その通りに売買できるわけではなく、実際とは異なることも運用の深さと思いながら日々考えています。
さて、日本国内の金利が少しずつ上昇しているので、国内債券でも利回りと期間を見て、ETFと投資信託をそれなりに保有できるといいなと思っていますが、まだ金利が低く買う気になれず、金額も小さいままです。
しかし、自分のための投資をスタートした当初は、インフレヘッジの目的から考えて債券を買う必要があるのかと考えていたくらいで、その時から考えれば、ポートフォリオも具体化して債券投資を考える幅が広がっているので、自分でも良しとしようと思っています。
ご来訪ありがとうございました。
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